インスタントなものに慣れ過ぎないことの意義

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 クラブ活字を読む習慣がなく「勉強が苦手」だけど学ぶのは好きな子のためのマナビノバ『共育学舎BCI』を主宰する、学びの土台ビルダーの小杉ですクラブ
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 今日は雪がしんしんと降り続き、厳しい寒さが続いていますね。また全国的にJN.1株による新型コロナウイルスの感染が流行っているようなので気を付けてくださいね。

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 さて最近「タイパや効率といった言葉で誤魔化して、インスタントなものに慣れ過ぎてはいけない」とよく感じます。
 インターネットが生活の一部となって久しく、最近ではChatGPT等の生成AIの出現により、調べることの敷居が低くなっています。子ども達が何かを調べる際、辞書や参考書ではなく、ググるがファーストチョイスになっているのも、そうした背景があってのことだと思います。その反面「本当に調べられているだろうか」と改めて考えると、少し心許なくなります。

 インターネットを活用して調べるのは非常に簡単です。タイパや効率の面から考えれば、ワンクリックで莫大な量の結果が列挙され、時間をかけずに多くを学べるように感じます。しかし私にはそれが「あまりにインスタントではないか」と感じられます。
 インターネットでは0コンマ何秒という極めて短い時間で検索結果が示されます。しかしそれは逆に言うと、頭の中に去来する様々な疑問や感情が湧かないということです。そうしたノイズのなさは、何かを身につける上でマイナスに働くように私は感じます。

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 辞書や参考書、新聞や本を使って調べる場合、調べたい内容を忘れないよう「〇〇(調べたい内容)」と、頭の中で何度も反芻します。その事が調べたい内容を知識として定着させる接着剤のような働きをするように、私には感じられます。またページをめくる行為も、「あの辺に書いてあった」と想起するためのきっかけになるように感じます。これらがノイズとなり、知識とする際の助けになると私は考えています。

 さらにインターネット上の情報は分かり易く噛み砕いてある事が多く、それは謂わば流動食です。一方辞書や参考書、新聞や本は必ずしも自分にとって分かり易い表現になっているとは限らず、自分で食材をを調理する、すなわち情報を自らで理解しやすいように加工する必要があります。この骨の折れる過程もノイズとなって、定着を促すように感じます。

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 確かに現代の子ども達が学ぶカリキュラムは、私が学生時代に学んだ内容よりも遥かに分量が多いのは事実です。そのため「できる限り効率良く」と考えるのも納得がいきます。しかし同時に「分量が多いからこそ、学んだ内容をより定着させられるよう、『ググる』や『YouTubeで観る』といったインスタントな方法で知った気になるのではなく、多少なりとも困難の伴う、骨の折れる手段を選び、定着しやすい状況を作るべきではないか」とも感じます。

 私が大切にしていることわざに「Soon learnt, soon forgotten.」があります。「簡単に身につけたものは、簡単に忘れる」という意味ですが、ノイズの多い手段を選ぶことで簡単に身につけることを防げるのではないかと思います。

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 世田谷区の桜丘2丁目で活字を読む習慣がなく「勉強が苦手」だけど学ぶのが好きな子の強みや長所を活かしながら、学びの土台を築くサポートをしています。(→学びの土台についてはこちらを参考にしてください)

 その中でも特に「自分の好きなことを、楽しそうに話してくれる子」「(大人数よりも)少人数の時に輝く子」と共に学びたいです(不登校の子も大歓迎です)♫
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ジョギングを再開して痛感した基礎の重要性

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 今日は生憎の空模様でしたね。寒いのが苦手な身としては、一度暖かくなった後にここまで寒くなると、非常に応えます。

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 さて今年に入って、数年ぶりにジョギングを再開しました。
 ここ数年は新型コロナウイルス自体や、家族の感染により、正直に申し上げてなかなか外へと向かうエネルギーが湧きませんでした。しかしこの3年で自分自身の中に新型コロナウイルスに対する様々な知見が集まったこと、また走るのに適した気候になったことで、運動へと気持ちが向くようになりました。

 コロナ禍の3年間マスクをしながら自転車に乗っていたため、肺活量の衰えはそこまで感じませんでした。しかし走るのに必要な筋肉の衰えは顕著で、「自転車に乗る際使う筋肉と、走る際使う筋肉は全く別物である」と改めて痛感しました。
 数年間走っていなかったとはいえ、元陸上部のプライドのようなものがまだあり、現在のようなペースでしか走れないことは正直情けないです…しかしジョギングが習慣づいていた時も「少し調子が良くなって速く走る→速く走るのに耐えうる体ができておらず膝を痛める→膝の痛みが引かず、長期間走れなくなる」を繰り返していたので、今回は焦らずにまずは動ける体作りから始めようと思います。

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 今回久しぶりに走って感じたのは、「運動であれ勉強であれ基礎が大切であることは変わらない」ということでした。
 一度自転車に乗れてしまえば、多少時間が空いても乗れるのと同じように、高校時代身に付けた走り方の記憶はそう簡単には消えません。しかし走りを維持するための筋力や、そもそもの走力はそうはいかず、積み重ねの重要性を痛感しています。

 これは勉強で解き方を身に付けるだけでは解けるようにならないのと似ています。問題を解くにはまず文章を読み、理解する必要があります。それには豊富な語彙や、まとまった分量の文章を読んでも息切れを起こさない活字耐性、読解力が必要となります。また分からない状態でも少しずつ必要な情報を読み取り、試行錯誤し続けられる思考体力も必要です。これらは日々の積み重ねによる部分が大きく、一朝一夕で身につくものではありません。

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 基礎と聞くと「簡単」と感じる方もいるかと思いますが、そんなことは全くありません。基礎を身につけるのは想像以上に難しく、また時間を要します。さらに基礎がない状態は木の根っこが脆弱な状態と同じですので、いずれ根腐れを起こし倒れてしまいます。すなわち勉強に着いていくことができなくなります。

 物事の根幹に関わる部分は見えづらいため、ややもすると軽視されがちです。しかし字の如く「根」や「幹」ですので、それらが立派に育たないと、枝や葉も立派には育ちません。目に見えやすい枝や葉についつい目がいきがちですが、是非根や幹を大切にしていただきたいです。

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『マインドセット「やればできる! 」の研究』を読みながら感じたこと

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 ここ最近は暖かい日も増え、モノクロだった世界に色が戻ってきたような感覚になります。

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 さて最近読んでいる『マインドセット「やればできる! 」の研究』の中に、以下の文が出てきました。(私は洋書を読んでいるので、原文のまま書かせていただきます。)

 “The students with growth mindset completely took charge of their learning and motivation. Instead of plunging into unthinking memorization of the course material, they said: “I looked for themes and underlying principles across lectures,” and “I went over mistakes until I was certain I understood them.” They were studying to learn, not just to ace the test.”

 私はこの文章を読み、「塾で学ぶ際の理想的な姿である」と感じました。

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 私は子ども達によく「間違えた問題は家で解き直そう」「何を間違えたのか、何故間違えたのかを分析し、自分に必要なエッセンスを抽出しよう」と伝えます。(同じ間違いを繰り返す子が多いので、実践してくれているかは悩ましいところではありますが)

 私と一緒にたどり着いた正解は、いわば補助輪付き自転車です。それは私の補助があって正解できたのであり、自力で解けたわけではありません。

 しかし実際に必要となるのは、自力で正解へ辿り着けることです。そのため私と一緒に辿った道筋を、自分だけで辿れるかどうかを確認するため、間違えた問題を家で解き直して欲しいと思っています。これは上記のI went over mistakes until I was certain I understood them.に繋がると思います。

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 また学習では具体的な1題が解けることも大切ですが、それと類似した問題を解くために、そこから似た問題にも応用できる知識を抽象化することも重要です。

 特に間違えた問題には、自分に必要不可欠な知識や考え方が詰まっています。しかしそれらを未加工のままでは、ほとんどの場合同じ間違いをすることになります。そのためそれらを自分の言葉で言語化し、意識できる形に昇華する必要があります。
 それが私の言う「何を間違えたのか、何故間違えたのかを分析し、自分に必要なエッセンスを抽出しよう」であり、I looked for themes and underlying principles across lectures.の部分に繋がると思います。

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 私は正解自体にはさほど価値はないと思っています。それは適切な手順さえ踏めば、自ずと正解に辿り着くからです。

 大切なのは自力で適切な過程を踏めるようになることであり、そのために自分に合った工夫を施せることです。〇がつくことだけに満足せず、間違いに向かう姿勢や学び方を身につけてほしいと思います。

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野村克也さんの「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」に思う事

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 今日は非常に寒い一日でしたね。
 明日も寒いようですので、体調には気をつけてくださいね。

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 ヤクルトスワローズや阪神タイガース、楽天イーグルス等で監督を務めた野村克也さんの著書に、『負けに不思議の負けなし』という本があります。そして野村さんは「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」という言葉も残しています。

 私はこの言葉を「運良く勝てることはあっても、運悪く負けることはない。負けるには負けるだけの理由がある。」との意味だと解釈しています。そして初めてこの表現を聞いた時、非常に的確な表現だと感じました。

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 学習に置き換えると、「たまたま正解することはあっても、たまたま間違うことはない。」でしょうか。すなわち知識の不足や誤った認識等、間違いには間違えるだけの原因がある、ということです。この事を認識できるため、私は間違えることには非常に大きな意義があると思っています。

 確かに間違いは自分の出来なさと向き合わなくてはならない機会であり、多少なりとも痛みを伴います。しかし同時に間違えたからこそ自分の知識不足や、誤って認識していた内容が顕在化し、意識できるようになります。さらにそれらを正すチャンスともなり得ます。
 その意味では「間違い=自分の誤ったスキーマが詰まった原石」と考えることもできます。

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 間違えるとついつい間違えた事実ばかりに目が行ってしまいます。私も同じような経験が多々あるので、子ども達の気持ちはよく分かります。

 しかし間違えた問題に対してすべきは、出来なかった事実を嘆き悲しむことではなく、その間違いを次にどう活かすかです。それには間違いを分析する、つまり「何を間違えたのか/何故間違えたのかを自分なりに考え、書き出す」ことが必要です。それによって、間違いを自分だけのオリジナル教材にすることができます。(この部分を他者にアウトソーシングすることはできません)

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 学生の特権は失敗できること、そしてそれが許容されることです。
 その貴重な期間の中でできる限り多くの失敗をし、それを分析する術を身に付け、自分なりの失敗の活かし方を見つけてほしいと思います。

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適切なタイミングで間違えることの価値

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 今日は非常に寒い一日でしたね。
 明日も寒いようですので、体調には気をつけてくださいね。

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 さて以前ブログで「正解至上主義が、『ググる』等の答えに直結する方法で(自分の頭を働かさず)答えのみを求める」「正解至上主義によって間違えることを過度に恐れ、〇×がつかない白紙の状態で出す」等の行動を子どもにさせているのではないか、との内容を書かせていただきました。(→正解至上主義に陥らないために)
 そして正解至上主義の背景にあるのは「間違い/失敗=悪」との思い込みではないか、と私は考えています。

 「間違い/失敗=悪」との思い込みは根深く、「間違い/失敗=自分の『分からない』が詰まった原石」との認識に改めるのに、非常に多くの時間を要します。また「間違い/失敗=悪」と考えていると、自分の力以上のものに中々挑戦せず現状維持となってしまうため(学習内容が先へ進むことを考えると後退とも言えるかもしれません)、学力が伸びない要因ともなります。
 これらの意味で、非常に厄介な思い込みであると言えます。

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 上述のように私は、「間違い/失敗=自分の『分からない』が詰まった原石」だと思っています。そして(変な表現かもしれませんが)「分からないことは、適切なタイミングで間違えてほしい」と感じています。

 小学校で行うカラーテストや漢字テストは、子ども達から適切なタイミングで間違えることを(結果的に)奪っている最たる例だと、私は感じています。
 カラーテストは「直前に学んだ内容が身についているかどうか」を確認するテストです。そのためよく理解していない内容でも、直前にやった内容を覚えてさえいれば、ある程度点数が取れてしまいます。親御さんからすると「点数が取れている=理解できている」と考えるのは当然のことであり、仮に理解できていない部分があったとしても、それは見逃されてしまいます。
 また漢字テストも直前に詰め込んだり、ある程度形を覚えていれば書けてしまいます。そのため漢字テスト以外の機会でその漢字と出会っても、読めない・書けないことが子ども達を見ていると多々あります。

 今例に挙げた2つの問題点は、「積み重ねが前提となる学校の学習において、その場だけでしか正解できない情報になっていること」です。つまり死んだ知識となっている点です。
 カラーテストの目的は「ある単元を学んだ後にしっかり身についているか」を確認すると共に、「その単元の内容を関連する単元でも活用することができる状態(=生きた知識)となっているか」も問われているはずです。また漢字は本を読んだり、文章を書いたりするための手段であり、それには漢字の持つ意味やその漢字を使った熟語の意味が身についていなければ、ある漢字が身に付いたとは言わないはずです。すなわち正解に至る方法を知っていることと、知識として身に付いていることは全くの別物である、ということです。

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 小中学校ともにカリキュラムが増え、正解に至る方法ばかりが重視される風潮は致し方ないようにも感じます。しかし同時に小中学校の学習は土台となる内容が多いからこそ、「分かっていないのであればそこを変に誤魔化さず、しっかりと間違える。その上で何を間違えたのか、何故間違えたのかを分析し、自分に必要なエッセンスを抽出してほしい」とも感じてしまいます。

 分からないことを間違えるのも、大切な学習の一環です。それを是非知っていただきたいです。

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「練習のための練習」の弊害

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 今日は気持ちの良い晴れ間でしたね。
最近は朝晩の冷え込みも厳しくなり、寒いのが苦手な私はすでに夏が恋しいです。。

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 さて塾で子ども達を見ていて、練習と本番が断絶されることの弊害を感じることがあります。

 BCIでは、新聞音読で読めなかった漢字の意味を調べてメモしています。そして次回その漢字の読み仮名と、その漢字を使って例文を作るテストを行っています。前回読めなかったとはいえ、一度調べてメモまでしている漢字ですので、覚えてさえいれば難なく解けるものだと思っています。
 しかしその状態であっても、子ども達の中には自分の記憶を一度辿ったとは思えない速さで、前回のメモを参考に読み仮名を調べようとする子がいます。
 また何度も同じようなタイプの問題を間違え、解き直しているにも関わらず、それを覚えていないために再度間違える子も散見します。

 これらの様子を目の当たりにすると、子ども達の中で「調べる」「解き直す」と「覚える」が別物になっているのではないか、と感じます。

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 少し話が逸れますが、本番で力を出し切れる子と、出し切れない子の違いは何でしょうか?
 私は、「練習のための練習をしているのか、本番のための練習をしているのか」の違いだと考えています。私は中高と陸上競技をしていたので、それを例に説明いたします。

 私は400mを専門にしており、300m+100mという練習をよく行っていました。
 ここで何も考えずに300mと100mをただ走るのが練習のための練習です。一方「試合の400mを〇秒で走りたいから、300mを△秒くらいで走ろう」「残りの100mは疲労が溜まった状態で身体をいかに動かすかを意識しよう」等、練習ごとにテーマを設けながら300m+100mを走るのが本番のための練習です。
 漫然と練習していても記録は伸びると思いますが、考えながらスポーツをする方が圧倒的に力はつきます。

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 話を勉強に戻しますが、陸上の話を勉強に当てはめると、「調べる」「解き直す」と「覚える」がバラバラになった学習は練習のための練習であり、「調べながら覚える」「解き直しながら覚える」とセットで行う学習が本番のための練習ではないかと、私は考えています。
 勉強では自分の中の知識を基に思考するため、「覚える」までがワンセットになっていない学習は、ただ調べるだけ、ただ解き直すだけとなり、取り組んだ内容を思考するための道具とすることができません。その結果、やったのに身に付かない…、となります。(ただやっただけで、身に付けようとの意識がないため、身に付かないのは当然なのですが)

 ここでは勉強、そして陸上を挙げましたが、基本的にどの分野であっても、本番を想定しない練習は得てしてただやるだけになりがちです。
 どんな分野であっても、ただやるだけで力がつくことは皆無ですので、取り組む際は是非「本番を見越した取り組み」を意識してほしいと思います。

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速さより優先すべきこと

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 今日はすっきりとしない天気が続いていますね。
最近は朝晩の冷え込みも厳しくなり、寒いのが苦手な私はすでに夏が恋しいです。。

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 さて塾で子ども達を見ていると、「速く解けることこそが最も重要である」「早く先に進むことが大切である」と考えているであろう子に出会うことがあります。私も速く解け、どんどん先に進めることは理想的だと考えています。しかし速さばかりが優先される状態はあまり望ましくないとも感じています。

 私は高校時代、陸上部に所属していました。(陸上をするために、その高校に通ったという方が正確かもしれません)
 陸上は0.01秒を競う競技です。競技の性質上、速さについて日頃から考える機会が多く、速さについては人より理解していると思います。その経験から言えるのは、速さは「今まで意識的に丁寧、かつ正確に行って動きが、無意識に行えるようになった結果である」ということです。すなわちある動きが自動化された結果、速さが身につきます。

 私が取り組んでいた陸上を例に挙げましたが、これは勉強でも同じです。
 速く解けるようになり、先に進みたいのであれば、何度も何度も「意識的に丁寧、かつ正確に解き続け」、できる限り早くそれを自動化することが必要となります。その過程なくして追い求める速さは、ただの雑な作業でしかありません。

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 子ども達が「勉強=速く解くことが大切」と考える背景には、「書き終えさえすれば」「解き終えさえすれば」と、とにかく終わらせればOKと勘違いする恐れのある宿題の出され方にあると私は感じています。またカリキュラムが増えたことにより、学校でのゆとりがなくなったことに起因して、子ども達が「可能な限り速く正解に辿り着く」方法しか経験できないことも一因かもしれません。
 しかしどのような理由があるにせよ、前述の通り「丁寧さや正確さの伴わない速さ=雑な作業」でしかありません。

 速さの前に、まずは丁寧さや正確さ。それを最優先に考えてほしいと思います。

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暗記は思考を阻害するのか?

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 今日は雨予報でしたが、晴れ間が覗いていますね晴れ

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 さて近年「知識偏重は悪、思考力が是」「分からなければ、ググれば良い」といった風潮が幅を利かせるようになり、子ども達に(悪い方向に)影響しているように感じます。
 私はそれに対して、非常に強い危機感を抱いています。

 「知識偏重は悪、思考力が是」「分からなければ、ググれば良い」に通底するのは、「暗記/覚えることは、そこまで重要ではない」との考えではないかと、私は思います。そしてそれが「覚えなくても最悪調べられるし、自分なりに考えられることの方が大切」と誤った認識に繋がるように感じています。

 勿論自身で調べられることや、自分なりに考えられることが重要なのは言うまでもありません。しかしそれらと同様に覚えることも重要ですし、上記の2つに関しても知識がある(=必要事項を覚えている)からこそ可能なのではないでしょうか?私は、調べること/考えることと、覚えることが二項対立になっている現状に、強い違和感を覚えます。

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 実は考えるためにも、ググるためにも、膨大な知識が必要になります。
苦手な子の多い、速さを例に「考える」と「覚える」の違いについて考えてみましょう。

 速さの問題を解く際、「時速(速さ)」「道のり(距離)」「時間」等の言葉について考えようとする子がいます。しかしこれらの言葉の定義は、そのイメージと共に覚えるものであって、考える類のものではありません。もしこれらの言葉について考えているのならば、それは本当の意味での「考える」ではなく、覚えるのを怠っているだけです。

 速さの問題を解く際の本当の意味での「考える」とは、「問題文を読み、情報を図にする」「その図を基に立式する」等であるはずです。すなわち「考える」とは、本当の意味で考える必要のある部分だけに労力を割くことであり、そのために必要な知識は「考える」ものではなく「覚えている」ことが大前提である、ということです。

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 またググるためにも、豊富な知識を有している必要があることは明らかです。
 何か知りたいことがあった時、それを調べるのに必要なキーワードが自分の中にない場合、果たしてググれるでしょうか?その状態でググるのは非常に困難ですし、ググれたとしても相当な時間が必要となります。つまりググれるのは必要な知識を有しているからこそであり、それがなければGoogleはただの宝の持ち腐れです。

 これらから分かるように、「考える/調べる」と「覚える」は不可分であり、「考えながら覚える」「調べながら覚える」等、覚えるまでをセットにするのが本来ある姿ではないか、と感じます。

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正解至上主義に陥らないために

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 梅雨に入り、すっきりしない天気が増えましたね雨
寒暖差が大きくなっておるので、体調を崩さないようご注意くださいね。

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 さて先日下記のブログで、正解至上主義が「どんな手を使ってでも答えにたどり着く」、または「白紙で提出する」といった一見正反対に見える行動に繋がるのではないか、と書きました。(→「白紙の解答」について考えてみたこと)

 では正解至上主義に陥らないためには、どうしたら良いのでしょうか?それは「間違いに対する、正しい認識を持つこと」、そして「間違いをそのままにしない習慣を身につけること」の2つではないかと思います。

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 まず「間違いに対する、正しい認識を持つこと」についてです。

 塾で子ども達と関わっていると、稀に「間違い=いけないこと」「間違い=悪」と捉えている子に出会います。この思い込みは本当に強固で、厄介です。取り去るのに数年かかりますし、過度に間違いを恐れることで成長が阻害されてしまいます。
 しかしそもそも間違いはそんなにいけないことでしょうか?私はそうは思いません。

 間違いはその時点で知らない知識や考え方が詰まったものです。そのため「何を知らなかったのか」「どんな考え方をすべきだったのか」を分析し、次回に活かせる形にすれば良いだけのはずです。
 問題なのは、間違いをそのままにし、次回も同じ(ような)間違いをすることです。「間違えること」と「同じ間違いをすること」の間には明確に線引きをしなくてはなりません。

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 また「間違いをそのままにしない習慣を身につけること」についてですが、前述のように間違いは「その時点で知らない知識や考え方が詰まったもの」です。すなわち自分にとっての成長ポイントが詰まっています。

 しかし間違いを間違いのままの状態にしていては、それを成長につなげることはできません。上記の内容と重複しますが、間違いに関して「何を知らなかったのか」「どんな考え方をすべきだったのか」を分析し、次回に活かせる形に昇華させる。それによって間違いを次に繋げられます。

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 「間違いに対する、正しい認識を持つこと」と「間違いをそのままにしない習慣を身につけること」は、両輪のような関係ではないかと思います。
 間違いに対する正しい認識を持つからこそ、間違いに向き合う勇気を持て、次回に活かせる形に変化させられる。間違いをそのままにしない習慣を形成する過程で、間違いに対する正しい認識が身につく。このように互いに影響しあうものだと私は考えています。

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「白紙の解答」について考えてみたこと

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 今日は生憎の雨模様ですね雨

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 さて私の思い過ごしかもしれませんが、塾を始めた当初と比べてここ数年、白紙の解答を出す子が増えたように感じます。分からないのは仕方がないにしても、思考の形跡が全くない状態に、「読み取った情報を整理したり、図に起こす等の工夫は少なからずできるのではないか」と感じます。

 特定の子に限らず白紙で提出する子が明らかに増えたため、私なりにその背景を考察してみました。そしてその背景には「正解至上主義」があるのではないかと感じるようになりました。

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 正解至上主義は私が考えた言葉ですが、「正解こそが絶対!間違いは悪」と思い込むことと私は考えています。その正解至上主義は2つの、一見両極端に見える行動としてあらわれると私は思っています。

 1つ目は「どんな手段を使ってで も、正解すれば良い」です。前回のブログに書いた和文英訳の問題でGoogle翻訳を使ったケースを紹介したと思いますが、それが最たる例です。
 正解することが目的化し、たとえ自分の頭で考えた答えでないとしても正解できれば安心と考えます。安心自体は得られるかもしれませんが、自分の力で解いたわけではないため、再度同じ問題にぶつかっても解くことはできません。

 2つ目は今回のテーマである「白紙で提出する」です。
 白紙で提出する限り、×がつくことはありません。×がつかない限り〇しかない、すなわち「自分は正解し続けている」との安心につながるのではないかと推察していています。
 しかしこれも1つ目と同様に非常に短絡的な発想です。失敗を避けて挑戦しなければそもそも×はつきませんし、自分が解ける問題が〇ばかりだからといって、それが成長に繋がっているとも限りません。(寧ろ挑戦を避けている時点で、成長はできないと私は感じています)

 いずれにしても、学習に望む姿勢として、あまり好ましい状態ではありません。

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 子ども達が「正解至上主義」に陥っていると仮定した場合、その背景にはカリキュラム増による時間的なゆとりの無さがあるのではないかと思います。そしてそれにより最短距離で正解に辿り着く方法ばかりが優先され、子ども達が間違いから学ぶ機会が減少する。そうした状況が、子ども達を無意識のうちに「正解至上主義」に染めてしまうのではないかと思います。

 学習する上で、間違えることは非常に大切です。
 間違えるからこそ自分の理解できていない部分が判明し、それを分析することが可能となります。分析した結果は次回に活かすことができ、それが新たな学びの扉を開いてくれます。また間違いを分析し、次回に活かす過程自体も、非常に有用です。

 私は間違えられることこそが、学生の特権だと思っています。学生時代はたくさん挑戦して、たくさん失敗し、失敗耐性を身につけると共に、失敗の活かし方を学んでほしいです。

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世田谷区の桜丘2丁目で活字を読む習慣がなく「勉強が苦手」だけど学ぶのが好きな子の強みや長所を活かしながら、学びの土台を築くサポートをしています。(→学びの土台についてはこちらを参考にしてください)

その中でも特に「自分の好きなことを、楽しそうに話してくれる子」「(大人数よりも)少人数の時に輝く子」と共に学びたいです(不登校の子も大歓迎です)♫
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